リファレンス マニュアル

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*貢献者*

Jean-Pierre Charras, Fabrizio Tappero, Wayne Stambaugh.

翻訳

starfort <starfort AT nifty.com>, 2017.

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発行日とソフトウエアのバージョン

2015年10月15日 発行

1. 必要なファイルとツール

翻訳の作成やメンテナンスには、C++ プログラムのスキルは必要ありません: KiCad ファイル中での変更は行われません。

翻訳は PoEdit ツールを使うと簡単です。このツールは、(KiCad ソース内にある) 翻訳対象の文や単語を扱うことができ、入力された翻訳から KiCad 用の辞書を作ることができます。このため翻訳にあたってっは、PoEdit のインストール、最新版の KiCad ソース ファイル、既存の翻訳、最新版の翻訳の入手が必要となります。翻訳作業は、Linux、Windows、MacOSX の環境下で行うことができます。

1.1. PoEdit のダウンロード

公式ホームページを参照してください: https://www.poedit.net/

1.2. KiCad ソース ファイルのダウンロード

KiCad のソース ファイルは、今のところ¶ Launchpad 上にあります: ¶ 訳注:2015/10/15 現在(2016/12/5 の時点では git.launchpad.net 上にあります)

https://launchpad.net/kicad ¶ 訳注:2015/10/15 現在(2016/12/5 の時点では https://git.launchpad.net/kicad

"bazaar" (コマンドは bzr) という名前のツールを使って、Launchpad からファイルをダウンロードできます¶。 つまり: ¶ 訳注:2015/10/15 現在(2016/12/5 の時点では使用できません。従って、以下に書かれている情報は無効です。)

1.3. 既存の翻訳とドキュメントのダウンロード

KiCad の翻訳とドキュメントは、github 上にあります: https://github.com/KiCad/kicad-i18n/

コマンドを使用した翻訳のダウンロード:

git clone https://github.com/KiCad/kicad-i18n.git

2. 翻訳対象文の検索

KiCad では、ツール Tips と個別メニューが国際化の対象となっており、ソースコードを変更することなく、各国の言語へと簡単に変更できます。

翻訳のルール:

  • 翻訳対象は英語で書かれます。

  • 翻訳すべき全ての文字列は、 _("hello world") のように書かれます。この場合は通常 "hello world" と表示されますが、もし辞書が見つかった場合は表示される前に各国の言語へと置き換えられます。

  • 英語→各国語の辞書が翻訳を処理します。(言語ごとに一つの辞書です)

簡単に英語→各国語の辞書を作成/メンテナンスする方法は、poedit を使うことです。PoEdit は KiCad のソースをスキャンし、翻訳の入力を可能にします。翻訳を作成するには、KiCad のソースをダウンロードして PoEdit を設定する必要があります。

3. 翻訳用の KiCad ツリー

3.1. 辞書ツリー

辞書は、既定のパスに置かれている場合 KiCad 自身によって見つけられます。

images/i18n-tree.png

既定のパス kicad/internat/xx,

または kicad/internat/xx_yy

ここで: xx = 標準化されたロケール インジケータ (短縮形式) 例:

  • fr = フランス語

  • en = 英語

  • es = スペイン語

  • pt = ポルトガル語

または: xx_yy = 標準化されたロケール インジケータ (ロング形式) 例:

  • fr_FR

  • en_GB

  • en_US

3.2. 検索パス

辞書とオンライン ヘルプ ファイルは以下の順番で検索されます:

  • 標準化されたロケール インジケータ (ロング形式) のパス (kicad/internat/xx_yy) ¶ ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、KiCad/share/kicad/internat/xx_yy

  • 標準化されたロケール インジケータ (短縮形式) のパス (kicad/internat/xx) ¶ ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、KiCad/share/kicad/internat/xx

またオンライン ヘルプ ファイルの検索では:

  • 標準化されたロケール インジケータ (ロング形式) のパス (kicad/help/xx_yy) ¶ ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、KiCad/share/doc/kicad/help/xx_yy

  • 標準化されたロケール インジケータ (短縮形式) のパス (kicad/help/xx) ¶ ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、KiCad/share/doc/kicad/help/xx

  • kicad/help/en

  • kicad/help/fr

バイナリのパスから取得される KiCad のメイン パス、あるいは (見つからない場合):

Windows では:
  • c:\kicad

  • d:\kicad

  • c:\Program Files\kicad ¶ ¶ 訳注:64bit版 OS で 32bit版 KiCadの場合、 c:\Program Files (x86)\kicad

linux では:
  • /usr/share/kicad

  • /usr/local/share/kicad

  • /usr/local/kicad/share/kicad

  • /usr/local/kicad

3.3. ファイル

各々のディレクトリには2つのファイル¶が含まれています kicad/internat/xx: ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、1つしか存在しない

  • internat.po ¶ (Portable Object、辞書ファイル) ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、存在しない

  • internat.mo ¶ (Machine Object、最適化されたバイナリファイル ) ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、kicad.mo

4. PoEdit の使用

4.1. インストール

PoEdit をダウンロード (https://www.poedit.net) してインストールします。Windows 版、Linux 版、Mac OS X 版が利用可能。

KiCad のソースをダウンロードして展開 (unzip) します。

4.2. KiCad の準備

KiCad のソース: この例でのファイルの展開場所は f:/kicad/ です。全ての翻訳対象文字列は、_("string to translate") のようにタグ付けされています。

PoEdit は、これらの文字列の位置を知るために _ (下線)のシンボル¶を検索しなければなりません。 ¶ 訳注:2016/12/5 の時点では、この他に _HKI が必要です。(hotkeys.cpp、i18n_utility.h を参照のこと)

辞書を KiCad 既定のディレクトリ (kicad/share/internat/xx) に追加しなければなりません。この例でのディレクトリは kicad/share/internat/fr です。

4.3. PoEdit の設定

PoEdit を実行する。

ファイル → 新規カタログ を選択する。

このような設定画面となります。 ¶ ¶ 訳注:2016/12/5 の時点での最新版1.8.11では、翻訳言語の選択ダイアログが開きます。設定画面を開くには、言語の選択後に カタログ→設定 を選択します。

images/poedit-settings.png

4.4. プロジェクトの設定

images/poedit-settings-fr.png

ソース ファイルは英語で書かれているので、ソース コードについて何かを選択する必要はありません。

4.5. パスとファイルの設定

images/poedit-settings-paths.png

4.6. キーワードの設定

images/poedit-settings-keywords.png

ここで2つのキーワードを入力します:

  • _ (下線) :一般的にソース ファイルでタグとして使用されます。

  • _HKI :ホットキーの説明を翻訳するためのタグとして使用されます。

4.7. プロジェクトの保存

kicad.po という名前で kicad/share/internat/xx に新しいプロジェクトを保存します。

5. 辞書の作成と編集

PoEdit を実行して、プロジェクトを読み込みます。 (ここでは: kicad.po)

images/poedit-settings-dict.png

**カタログ->ソースから更新** を選択して、コマンドを実行します。

新しい (未翻訳) 文字列がプログラムの上部ウィンドウに表示されます。

6. KiCad のソース コードで新しい言語のエントリーを追加します。(プログラム開発者のみ)

このステップは必要ありません。これはプログラム開発者にのみ有効で、テストするためだけのものです。

KiCad では、使用する言語を変更することができます。

既定の言語を使用することを強くお勧めします。

images/kicad-settings-language.png

しかしながら、プログラムの開発者は翻訳をテストしなければならないので、言語リストへの新しいエントリーはテスト目的としては有用です。

6.1. ステップ

6.1.1. include/id.h に新しい id を追加

→ include/id.h で、次のように連続的に配置する:

ID_LANGUAGE_CHOICE,
ID_LANGUAGE_DEFAULT,
ID_LANGUAGE_ENGLISH,
ID_LANGUAGE_FRENCH,
ID_LANGUAGE_SPANISH,
ID_LANGUAGE_GERMAN,
ID_LANGUAGE_RUSSIAN,
ID_LANGUAGE_PORTUGUESE,

さらに、次のようにリスト (メニューで使用される) へ新しいエントリーを追加する:

ID_LANGUAGE_MY_LANGUAGE before ID_LANGUAGE_CHOICE_END.

6.1.2. 新しいアイコンを追加 (デザイン的な理由のみ)

→ 新しいアイコンを SVG フォーマットで作成する (Inkscape を利用すると簡単です): 普通は国旗です。例えば lang_new.svg

その他の言語のアイコンは common/bitmaps_png/source にあります。

6.1.3. bitmaps_png/CMakeLists.txt を編集

→ テキストを配置:

lang_catalan
lang_chinese
lang_bg
lang_cs
lang_def
lang_de
lang_en
lang_es
lang_fr
lang_fi
lang_gr
lang_hu
lang_it
lang_jp
lang_ko
lang_nl
lang_pl
lang_pt
lang_ru
lang_sl

さらに、新しいファイル名 (拡張子なし) を追加する: lang_new

6.1.4. include/bitmaps.h を編集

→ テキストを配置:

EXTERN_BITMAP( lang_bg_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_catalan_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_chinese_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_cs_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_def_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_de_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_en_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_es_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_fr_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_fi_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_gr_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_hu_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_it_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_jp_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_ko_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_nl_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_pl_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_pt_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_ru_xpm )
EXTERN_BITMAP( lang_sl_xpm )

さらに、lang_new_xpm (ファイル名に追加される _xpm) という名前の新しいアイコン名を include するための行を追加する

6.1.5. common/edaappl.cpp を編集する

→ 配置:

struct LANGUAGE_DESCR
{
    int           m_WX_Lang_Identifier;                 // wxWidget locale identifier (see wxWidget doc)
    int           m_KI_Lang_Identifier;                 // kicad identifier used in menu selection (see id.h)
    const char**  m_Lang_Icon;                          // the icon used in menus
    const wxChar* m_Lang_Label;                         // Label used in menus
    bool          m_DoNotTranslate;                     // set to true if the m_Lang_Label must not be translated
};

#define LANGUAGE_DESCR_COUNT 14
static struct LANGUAGE_DESCR s_Language_List[LANGUAGE_DESCR_COUNT] =
{
    {
        wxLANGUAGE_DEFAULT,
        ID_LANGUAGE_DEFAULT,
        lang_def_xpm,
        _( "Default" )
    },
    {
        wxLANGUAGE_ENGLISH,
        ID_LANGUAGE_ENGLISH,
        lang_en_xpm,
        wxT( "English" ),
        true;
    },
    {
        wxLANGUAGE_FRENCH,
        ID_LANGUAGE_FRENCH,
        lang_fr_xpm,
        _( "French" )
    },

さらに、次のような新しいエントリーを追加する:

    {
        wxLANGUAGE_MY_LANGUAGE,
        ID_LANGUAGE_MY_LANGUAGE,
        lang_new_xpm,
        _( "My_language" )
    },

wxLANGUAGE_MY_LANGUAGE は、国に対する wxWidgets 言語識別子。(wxWidget doc を参照)

6.1.6. リコンパイル

PNG の保守をした方がいいでしょう (bitmaps_png/CMakeLists.txt ファイルを参照)。すなわち、明示的に MAINTAIN_PNGS オプション付きで KiCad をコンパイルします。次に行うこのステップが最終ステップとなります。